将来の推定介護認定者数
予測値の分類
得られた予測値を、容易に表やグラフ化するために、ピボットテーブルを利用します。
これを実現するために、予測値を以下の項目で分類します。
地域 |
全国、北海道 |
性別 |
男、女 |
認定年 |
2018年、2020年、2025年、2030年、2035年、2040年、2045年 |
サービス区分 |
要支援1・2、要介護1~5 |
年齢区分 |
40~64歳、65~69歳、70~74歳、75~79歳、80~84歳、85~89歳、90歳以上 |
認定者数 |
予測値 |
尚、全国では年齢区分が90~94歳、95歳以上となっているので、その2区分の合計を90歳以上とします。
このように作成したデータを以下に示します。
このデータを用い、以下の集計を行います。
・認定者数の推移
・年齢階級別認定者数の推移
・サービス区分ごとの認定者数の推移
集計結果は以下の通りです。
【全国】
① 認定者数の推移
認定者数は女が男の2倍強あります。これは、女性の平均寿命が男性より長く、高齢者が多いためだと推測されます。
認定者数は年々増加していますが、2045年は全体で微減しています。これは、人口減少によるものです。
認定者の40歳以上の人口に対する割合も増加していますが、あまり多くないように思われます。これは、40歳~64歳の人口が40歳以上の人口の半分程度であるにも関わらず、認定者数が非常に少ないのが原因です。
上記と同様な集計を65歳以上で行うと以下のようになり、明らかに割合が多くなっているのが判ります。
② 年齢階級別認定者数の推移
年齢階級別の認定者数は、ほぼ年齢が高くなれば認定者も多くなる傾向があります。
2020年の70~74歳の高齢者は、戦後のベビーブーム時に生まれており、人口は多くなっています。そのため、この年齢の認定者数も多くなると予想されます。
実際に、70~74歳の認定者数の推移を調べると、2020年が最多であることが分かります。
さらに5年後(2025年)には、その高齢者が75~79歳になり、やはりこの年の認定者数が最多になっています。これが90歳まで続きます。
これは、将来、認定者の高齢化が進行することを示しています。
2018年には認定者6792.7千人のうち、90歳以上が1697.8千人で、全体に対する割合が25.0%であるのに対し、2040年には認定者9997.4千人のうち、90歳以上が4213.5千人で、全体に対する割合が42.1%となり、明らかに増加しています。
男女別では、以下の表になります。
傾向は、それぞれ全体(男女計)の傾向と同じです。
しかし、男女で比較すると70歳以下では男の認定者が多いですが、70歳以上では女の認定者が多くなり、高齢になるほどその差が大きくなります。
これも、平均寿命の長さによるものだと想定できます。
③ サービス区分ごとの認定者数の推移
すべての年で、要介護1・要介護2の認定者数が多く(1位・2位)で要介護5が最小となっています。
要支援1・要支援2、および要介護3・要介護4は、要介護2と要介護5の間にありますが、要支援に関しては、2035年から割合が減少しています。
これは、人口減少と高齢化進行により、相対的に要介護者が多くなることを示しています。
男女別では、以下の表になります。
男女とも要介護1・要介護2がそれぞれ1位2位となっており、要介護5が最小となっています。特に女は、2045年には要支援1と要介護5がほぼ同数となっています。男は、要支援1が4位となっています。これは女性の高齢人口が多いこと(女性の長寿化)を示しています。
【北海道】
① 認定者数の推移
全国と比較すると、認定者の割合は2~3%程度多くなっています。人口や認定者数の年別の変化も同じような傾向があるので、北海道はもともとの高齢化率が全国より高く、これが続くため、認定者の割合が多くなっています。
② 年齢階級別認定者数の推移
高齢になるほど認定者数が増加しています。また、2020年に70~74歳の世代が年を経るごとに最大となっていることも分かります。全国の傾向とほぼ一致していることがわかります。
男女別では以下の通りです。
全国と同様に、69歳まではほぼ男の認定者が多く、70歳以上では女の認定者が多くなっており、高齢になるほどその差が広がっています。
③ サービス区分ごとの認定者数の推移
全国と比較すると、要介護1が1位で要介護5が最下位は同じですが、他は少々違っています。特に要支援1と要支援2が大幅に違っておりその影響で要支援2~4までが違っています。
これをもっと分かりやすくグラフ化すると以下のようになります。
この違いは、地域の高齢者の特性(介護にかける時間が少ない老人が多いなど)による可能性もあります。また、自治体により方向性が違うための可能性もあります。現状では、情報が少ないため原因は不明です。
男女別では、以下のようになります。
女は、北海道男女計とほぼ同じ傾向を示しています。
男は、似たような傾向ですが、要介護2が2018年より2位で推移している所が違います。